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"The God of CHK RIDE"

5/1/10
Type of A/C: BE95A
Duration of FLT:1.5hrs
Route of FLT: PHNL-PHJR-PHNL
Normal T/O:2
Normal LDG:2
Instrument Approach:ILSRWY4R(HNL)×1(OEI)
RMKS:FAA Private License, Multiengine land with Instrument privilege CHK RIDE


これまでのFLTで、まだまだ感覚が掴みきれていないような気がしていたのだが、自分でCHK LISTを作り直したり、「ミクスチャー、プロップ、スロットル、フラップ、ギア!」と呪文を唱えるようにイメトレしていく内に、知らず知らずに知識と技量が身についたようだった。というのも、その自覚をしたのが、CHK RIDEの1日前のFLTだったからだ。それまでは、Mr.Jの「大丈夫、日に日に向上している」というセリフも半信半疑に飛んでいたのだが、前日の段階で急にマルチの機体をスムーズに扱えるようになった気がした。

というわけで、BE95 Travel Airで18.8Hrsのトレーニングを経てのCHK RIDEが始まった。

今回のCHK RIDE、ちょっと趣向が違う。
Private、IFRともに、ローカルのExaminerの大御所(?)ことMr.Mに頼んでいた。ところが、Mr.MはBE95では飛ばないらしい。

「今回のExaminerは、BE95だけでも相当の飛行時間を持っている。元エアラインの機長、FAAのすべてのライセンスを保持している。気球からジャイロプレーン、グライダー、果てはATPまで全てだ。CHK RIDEの神様だ。」

と、Mr.Jは言うが、

「ただ、いつもはマウイか本土にいて、呼び寄せないといけない。」

らしい。しかも、

「元社員価格で買うから安いと思うけど、マウイ-オアフ間の航空チケット代も試験料にあわせて払う必要がある。」

なんですと?

なんとなく理不尽な気もするのだが、

「でもナイス・ガイだ。」

とにかく、その人しかTravel AirでのCHKができないのだから、選択の余地はない。

当日の天気、予報では崩れるようなことを言っていて、「また延期の嵐か?」と警戒してみたが、朝方空を見上げると絶好のFLT日和。「午前中であればイケるかもしれない」。そう思いつつ、朝7時ごろスクールに入る。この前日にはMr.Jといろいろなことを確認しておいた。ただ、1つだけ忘れていたことがあった。Aircraft Log Bookの確認だ。これは、当日の朝早めに着て、内容を確認しておけばイイということになった、そのための早朝の登校(?)だ。前日にMr.JがAnnual、100H、Pitot-Static、Transponder、Altimeter、ELT等の2年後とのCHKのところに付箋紙を張っておいてくれたようで、そこを見て確認するだけで良かった。いっしょにENGとPropのLOGも付いていて、最終ページを見ると4/1にAnnualが終わっていた。必要書類等を机に並べて、準備をする。

この日、ExaminerのMr.Bは、マウイ島からエアラインで早朝にHNL入りすることになっていた。そして、空港のInter Islanmd TerminalでMr.Bを拾うことになっていた。書類準備をしていたら、携帯にMr.Bからの着信が入る。レターサイズの紙に”Mr.B from OGG”と書いた紙を車のダッシュボードに置いて、ピックアップに向かった。Inter Islandに到着すると、おじいちゃんが1人いて、こっちに手を振っている。見た感じ70歳くらいだろうか、白人で眼鏡をかけた、黙っていれば、ホントにただのおじいちゃん。とてもCHK RIDEの神様には見えなかった。

スクールに着いて、Mr.Bが始めたことは、朝食だった。手持ちで持ってきたサンドイッチ(おそらく奥さんの手製)を食べようしながら、こう切り出した。

「ところで、PTS(Practical Test Standardはあるかね?」
「いえ、今日は持ってきていません。」(本来持ってくる義務はない。)
「・・・」
「印刷することもできます、もちろん100ページ以上あることも知っていますが・・・」

スクール内のコンピューターに目をやり、

「必要部分だけでいいんだよ。ちょっと見てみようか。」

と言って2人でFAAのサイトを閲覧し、PTSのpdfファイルを検索する。

「ああ、このP32からP36までを印刷できるかね?」

どうやら、今から自分がやらなくてはいけないCHK RIDEの項目を印刷したいらしい。
ところが、プリンターのインクがナイらしく、プリンターから出てきた紙にはなにも印刷されていない。

CHK RIDEのときは必ず何かある・・・

それと、もう1つ、Mr.Bが切り出したのが、

「ここに自販機はあるかね?ダイエット・ペプシかダイエット・コーラを飲みたいんだが・・・」
「!」

一瞬ビックリした。どう見ても紅茶くらいしか飲みそうにないおじいちゃんの口から「ペプシ」とか「コーラ」という単語が出てきたのが意外だった。それも朝7時半、朝食のお供にである。
自分も朝からヘビーな食べ物(牛丼とかカツ丼とか)はOKなので、朝食で力をつけようという考えには賛同する。しかしペプシかい!アメリカ人らしい。

「あー、ドリンクはパイロットショップで買えますけど、まだ鍵が閉まってます。」
「何時に空くのかね?」
「9時です」
「・・・」
「・・・ひょっとしたら冷蔵庫に何かあるかも・・・」
冷蔵庫を開けてみると、
「すみません、ありませんでした。」

「廊下に自販機の案内があったみたいだけど?」
「廊下ですか?この建物で自販機は見たことないですけど?・・・・イヤ、1つあるのを思い出しました。」

ハンガー内のエプロン側に自販機が1つあるのを思い出して、そこに連れて行った。すると、

「1ドルが1枚しかない、両替できんかね?」
「すみません、あいにく今日は小銭を持ち合わせていません。」

最近飛ぶときは小銭財布を家に置いてきている。ニーボードを足に巻きつけるときに、財布に入った小銭財布が邪魔になるからだ。

「わかりました、こうしましょう。私はここから車で15分くらいのところに住んでいるので、PTSの所要ページを印刷してきます。それから、小銭も取ってきます。40分くらいで戻れると思います。そうすれば、あなたもココで朝飯を食べていられるし。」

こう言って自宅に戻った。これで3回のCHK RIDEすべて、一旦必ず自宅に戻っていることになる。
言われたページを印刷するとともに、念のためNetbookとして使っている小型のPCにPTSをダウンロードして、紙とデータの両方をスクールに持っていった。

「お待たせしました。」
「おお、ありがとさん。で、もう一度PTSのデータを見たいのじゃが・・・」
「(DLしといてよかった)ハイ、どうぞ。」
NetBookを起動して差し出した。どうやら違うページも参照する必要があるらしい。見始めたのは、PrivateのASELとIFR rating持っている人がAMELを受ける場合のマニューバ実施項目の対応表だった。そして、それを差し出した紙のウラに書き始めた。

「君は地球を護っているんだね。」

なぜなら、PTSを印刷した紙が、仕事で印刷し損じたウラ紙だったからだ。勿体無いからウラ紙として持ち帰っている。半分くらいは子供達の落書き帳になる。

そんなこんなで、Oralが始まった。
出だしからあまり調子がよくなかった。というのも、どのような答えを期待しているのか、よくわからな質問が続いたからだ。

「高度8000ftでの離着陸距離は、Sea Levelよりも長い短い?」
「長くなります。」
「なぜ?」
「Density Altitudeが高くなるためです。」
「なぜDensity Altitudeが高いと距離が伸びる?」
「空気の密度が薄くなるため、必要なLiftを確保するのにAir Speedを早くする必要があります。結果的にGround Sprrdが速くなり、」
「じゃ、ENGのパフォーマンスはどうなる?」
「落ちます。」

答えてはいったけど、どうも感触を得ているのかどうか微妙だった。

「機体のコントロールはナニで構成されている?」
「は?」
「機体のコントロールだよ。」
「・・・ワイヤーです。」
「そう、つまりメカニカルだね。では、Flapsは?」
「電動です。」
「では、Flapsを動かしているモーターは何個?」
「!」

これはさすがに想定していなかったが、解説をしてもらった結果は1個。その理由は、Flapsのコントロール系統が左右独立していて片方だけ制御不能になった場合、片方の翼にDragが多く発生し機体の安定に影響するから。動かなくなるのであれば両方同時のほうがイイらしい。これと同じ理由で、ギアもモーターは1個だ。(ギアは前日にMr.Jからレクチャーを受けていて、油圧ではなく電動であることと、モーター1つで左右のギアを動かしていることを勉強していた。)

「Critical ENGってナニ?」

出ました!ほぼ暗記していて、必ず聞かれる問題。ここで自分がMr.JからVmcと4つのFactor(P-Factor, Accelerate Slipstream, Spiral Slipstream, Torque)のレクチャーを受けたときに使ったB737-400の変造機モデルを取り出す。
model.jpg
補足:
①変造状態その1
②同その2(アングルを変えただけ)
③左ENGがFailとなった場合の想定を表現
④もともとの形

頭の中では、プロップの回転方向からPASTの4つのファクターまで一気に喋ろうとしている。

「ここに標準的なマルチエンジンの機体のモデルがあります。翼の上にエンジンがついていますね。多くのマルチエンジンの機体は、コックピットから見るとプロップが時計回りに回転します。一部の飛行機は左右のプロペラが相互に逆方向にまわるものもあります。で、Critical ENGと言うのは・・・・」

ここでふと思った。
(待てよ、なにもPASTまでここで答える必要はない。Critical ENGってナニ?としか聞かれていない)

「・・・Critical ENGというのは、Counter Rotate Propでない場合は、左ENGです。その定義は、停止した場合に、機体のDirectional ContorolとPerfomanceの双方に、最も相反する影響を与えるENGのことです。」

PASTも説明するつもりでいたのだが、その必要がなくなったらしい。「双方に」にえらく相槌している。

「じゃ、Vmcとはなに?」

「機体のMinimum Contororableのスピードで、One ENG InoperativeでDirectional Contorolを維持できる最も低い速度です。」
「Vmcデモのとき、リカバリーの手順は?」
「右ENGをフルパワー、左をアイドルとした場合、右をアイドルにするとともにノーズを下げます。」
「アイドルにする理由は?」
「機体のDirectional Contorolを確保するためです。」
「ではなぜ、Lost Directional Controlになるの?」
「え・・・それは、右ENGフルパワーでハイアングルになって、Directional Contorolを維持するためにバンクとラダーを使いますが、Vmcを下回ると左に回る傾向がさらに強くなり...」

「それはスピードが遅くなるからだよ。シンプルに答えればいいよ。」
「はあ・・・」

他にもWeight Ballanceの計算シートの確認や、Aircraft Logの確認と解説をしたりした。プロペラピッチのハイドロ制御系(ガバナーと油圧、Counterweightとバネ)のことも聞かれるかと思ったが、それはなかった。結局1時間もしないうちにOralが終わった。

「ところで、ヘッドセットは借りられるかな?」
「!」
(え?持ってきてないの?神様だとそんなもんなの?)

仕方なく、フロント・オフィスでヘッドセットを1つ借りる。ちなみにウチのクラブではヘッドセットのレンタルは5ドルとられる。

CHK RIDEに入るというときになって、Mr.Bはそれまでかけていた老眼鏡のような眼鏡を外し、サングラスをかけた。そのとき、一瞬だけ空気が変わったような気がした。
事前に、なにをどのような順番でやるのかは説明を受けた。

・HNLをShortfieldで上がる。
・Steep Turn
・Power On Stall
・Slow FLT
・Power Off Stall
・OEI
・ENG Cut and Restart
・JRFにShortfield LDG
・Abort Take Off(低速で)
・ILS RWY4R(Establish LLZ以降にOEI)

この日、BE95の前は他の機体で塞がっていて、前に出れない。人力プッシュバックをして後ろに出すが、ちょうどその先が某日系フライトサービスへのハンガーへ通じるルートとなっている。Preflightの途中でOILが必要になりスクールに取りに戻ったら、仕事を途中で抜けていたMr.JがMr.Bと話していた。プッシュバックもついでに手伝ってもらった。そしてそんなときに限って、その日系フライトサービスのPiperがTaxi ”E”からハンガーに戻るべく、こちらに向かってきていた。しかも2機連続で。道を全部塞いだかと思ったが、意外に2機がすれ違えるだけの空間はあった。念のためBE95の翼端のそばに立ち、すれ違うときのクリアランスを確認する。クリアできると分かった時点で親指を立ててPiperに合図する。すれ違ったアトで、ハング・ルースが返ってきた。

ENGを回してRun up、相変わらずいい音だ。ところで、ウチのクラブのBE95のドアの閉め方にはコツがある。まず、BE95のドア自体が右側にしかなく、左側の席には開閉可能な小窓がついている。つまり、乗り込むときは自分が先に乗り込んで右席から左席に座ったまま移動して、あとから右席に乗る人が乗り込んでドアを閉めるのだが、このドアが、ストッパーになっているシャフトを上下に動かさないとドアが動かない。ExaminerはBE95だけでも数千時間の飛行時間がある(ホントかいな!)らしく、BE95のことで知らないことはないだろう。でも、ドアは個体差のハナシだから、念のため聞いて見た。

「ドア閉められますか?」

やはりなかなか閉められない。ストッパーシャフトの解除がまずウマくいかない。そして右席に座ったままではどうしようもないらしく、ベルトを外して半分体を外に出してやってみる。それでもダメで、挙句の果てにはENGが回っているまんま、翼の上のステップに立ち上がってトライし始めた。なんとか閉める寸前まで動かすことができ、離陸前にスグ閉められるようにタクシー中はずずっと手で押さえていた。タクシー前でよかった。

Short Field Take OffでRWY4Lを上がる。
天気が良かったのでSouth Practice Areaでのマニューバを予定していたが、この時間帯には3500ftくらいのシーリングのCumoricな雲がちらほら。West Shoreに変更した。
Red Hill3で1500ft巡航、ここまででShort Field Take Off、Climb、Cruise等々の操作をたぶん見ていたんだろう。Mr.Bはずっと黙っている。KALAELOA(JRF)にコンタクトしてClass Dを西側へTransit、抜けたら5,500ftまで上昇、レベルオフ。

「では、準備ができたらいつでもいいので、Steep Turnから実施してください。」
Clearing Turn、LDG CHK LISTと機械的にこなし、Steep Turnに入る。ロールインのときに100ft上昇したが、そのまま±100ft維持でComplete。
続けてPower On Stall、Slow Flt、Power Off Stallと続ける。その都度Clearing Turnを入れる。マニューバの要求以外には黙っているので不気味だ。Power Off StallのRecoveryではSecondary Stallを出してしまったが即座にノーズを下げなおしてRecover。少しマイナスかもしれん。けど、考えても仕方がない。

ところで、このおじいちゃんの声が聞き取りにくい。ヘッドセット越しだと蚊の鳴くような声だ。Oahu Trafficの122.85MHzをモニターしながら飛んでいるが、ノースショアあたりのトラフィックのアナウンスと声がかぶったりすると、思わず「なにか言いましたか?」と聞いてみたくなる。

Vmcデモ、110mphまで減速後右ENGをフルパワー、左をアイドルにし、そのスロットルの動きとリンクするようにバンクとラダーを入れる。イイ感じでOEIに入った。デモも申し分ない。

Kaena Ptが近づいてきてなんかを始めようとしたら、

「そのままHDG330で飛んでて」

あいかわらず声が小さく、聞き取りにくい。と思っていたら、いきなりスロットルを片方抜いた。OEIだ。
「Mixture,Prop,Throttle,Flaps, Gear UP!」Dead FootからLeft ENG Inperativeと判定。Left Thrrottle IdleでVerify、ついでにトラブルシュートも続ける。
「Fuel Pump On Simulated,MAG and ALT CHK,Carbheat ON Simlated」

そしてLef PropをFEAHTHERにする。ここでいつもMr.JがZERO THURUSTに設定するのだが、Mr.Bはここでも手を出さない。つまり、ENGをShut downすることを意味した。Full Featherにしたあとは機体に振動が走る。早めにMixtureをIdle Cutにして左ENGをとめる。そのあとは、ENG Securing。左のMAGとALTをOFF、Cowl Flaps Close、Fuel Pump OffをCHK。動いている右ENGは負担が掛かるので、Fuel PumpON、Cowl Flap OPENとする。ここまでをほぼCHK Listを見ないでやった。それでも、ヨークに取り付けたCHK LISTをひっくり返してENG FAILUER PROCEDUREの面にした。

「ではまたENGをStart」

今度はLISTを見ながらゆっくりと・・・・Fuel Pump ON、MAG ON、 ALT ON、Throttle Cracked、Mixture Full RIch、そしてPropをFull FWDに・・・
いつもはStarterのチョイ押しが必要だったが、今日はスムーズに回り始めた。そのまま2000rpmでWarm Up。左ENGの油温計がGreen手前まできて、そこから上がらない。2200rpmまで上げてWarm Up、GreenにかかったところでNormal Configurationに戻す。

そこからJRFに行ってFul Stopするように指示され、Short FieldのLDGをする。JRFはRWY22のコンディションになっていた。22Rのスレッショールドを60fMSLt以上で通過し、Touch Down Zoneへの接地を目指す。若干外したが、許容範囲。すぐさまFLAPs Upでヨークを引いて「Brake, brake, brake・・・・」とBrakingをsimulateする。

「ではRWYを出てもう1回タクシーして、HNL ILS4Rのリクエストをして」

RWY22RをHold Shortして、TWRに「準備するので3分ほどください」とお願いする。返答は”Advise When Ready”。まずはアプローチ・ブリーフィング、もう見なくてもできるILS4Rだが、ちゃんとチャートを出して、それらしくブリーフする。次にHNL ATISの確認。風はKona Windになっているがまだ8kt未満、LDG and DEP RWY 4 and 8だ。NAV/COMを設定して、最後にHoodを装着する。

”N791T, JRF TWR、say your type of A/C ”

思わず答えたのが、

”・・・・791T、Did you call me?”

TWRの目の前通過して行ったのに、コールサインもBeach Travel Air 791Tって言ってるのに、なぜType of A/Cなんだ???

”JRF TWR, N791T, Ready for departure, Rq Departure instruction”
”N791T, turn right HDG 210、Climb and Maintain 2500, SQUAWK xxxx”

RWY22Lには某日系フライトサービスのものと思われるPiperがパターンを回っている。そいつとのVisual Separationを維持するように22Rを離陸する。スロットルを握り締めてフルパワーにしたとたん、なんとEaminerがスロットルを握っている右手をスロットルからはがし始めた!

分かり安すぎる・・・

つまり、片方のENGがON GNDでFailした想定でAbort Take Offをやらせようとしたのだった。Mr.Jがこのトレーニングをやるときには左右どちらかの「Mixtureレバー」をIdleにしていた(ENGが止まらない程度)から、今までAnortのために右手をはがされたことがなかった。それを、となりのおじいちゃんは一生懸命に自分の腕を右スロットルからはがそうとしている。
仕方がないので右手の力を抜き右スロットルレバーから手を離した。そしてExaminerが右スロットルをIdleにする。

「Abort, Abort, Abort」

そう言いながらPowerをIdleにして、Directional Controlを維持する。ExaminerからOKが出て、再びフルパワーで上がる。


洋上に出たところでHoodのシールドをCloseにする。トラフィックの関係でしばらくHNLから離れる方向へRVされる。あまりかっ飛ばしても仕方がないので、150MPHのCruiseに入る。ILSとDMEのIDを確認する。その後120,070,010と振られてILSRWY4Rのアプローチクリアランスが出る。LLZをキャプチャーしたかと思うと、Examinerの手が左スロットルに伸びた。「OEIだ。

「Mixture,Prop,Throttle,Flaps,Gear!」すかさず右バンクと右ラダーを入れる。150MPH、速過ぎる。徐々にスロットルを戻してVyseでのアプローチを心がけるが・・・結構スロットルを戻したのにGS HITのPERLY(6.1DME)まできても120MPHのまま、まだスロットルを戻しても大丈夫か?
OEIでのアプローチはGearもFlapも確実に降ろせるとわかる場所、例えばShortFinalとかで降ろす。Instrument Approachでいえば、Final Approach FixまでにGearだけ降ろしていればイイ。しかしILSRWY4RにはIAFはあってもFAFはない。迷わずPERLYでGearを降ろした。Air Speedは概ねVyse付近、ただ、LLZのニードルが安定しない。オーバーシュートを数回繰り返す。

Minimumまであと100ftのところで「Field Insight」のコール、Hoodを上げてLDGに入る。位置はRWYから若干右にオフセットした感じ。Flapsを20°まで降ろして降りていく。Tail windでround out以降の距離が伸びたが、Vrefから徐々に減速して接地、悪くない。ランプインしてENGを切る。

「はいお疲れさん。ではスクールに戻ってから話そうか。おめでとさん。」

マルチエンジンのパイロットになっちまった。

ExaminerからテンポラリのCertificateをもらったが、その様子がどうも淡々としている。
「今後のFLTの改善になりそうなアドバイスをいただけませんか?」と聞いたところ、
「ん~、そうだね・・・VFRは良かった。ILSは針を追い気味。あまり張りの動きに惑わされないように。あとは、高度維持かの~。Steep Turnでイニシャルターンで100ft高くなっていた。それくらいじゃ。」

どうもとっととマウイ島に帰りたいというオーラが出ている。

「CHK RIDEのFeeが400ドル、往復航空券が100ドルで、500ドルじゃ。」
「(高!)ヘッドセット代5ドル引いてイイですか?」
「なに?」
「ヘッドセット代、レンタルで5ドルなんですけど、お渡しする小切手の金額から差し引いていいですか?」

すると、CHK RIDEの神様はこう言った。

「They don’t charge me.」

少々呆れたが、もうそれ以上突っ込まなかった。CHK RIDEの神様は、少々セコかった。
Studentとかならともかく、CHK RIDEの神様ともあろう人が、なぜ自分のヘッドセットを持ってこないのかが、理解できなかった。
とにかく、神様も次に乗れるKAHULUI(OGG)行きの便でとっとと帰りたがっているので、空港まで送った。

たぶん今後マルチ機に乗る機会は当分ない。でもPrivate Multiは日本の技能証明に書き換えできるはず。それがMultiに挑戦した動機だ。そしてうやはりMutiは楽しかった。速くて早いのも、慣れで自分のリズムを作れれば問題なかった。18.8Hrs、イイ経験だった。
一説(?)によると、ジェネアビパイロットは、もっと速い機体を、もっと大きい機体を追求するようになるらしい。さて、自分はどこまで「速く大きく」を追求できるだろうか。

これまでの飛行時間:235.3Hrs

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プロフィール

KOMMYthePILOT

Author:KOMMYthePILOT
このblogでは、FAA Commercial Pilot(ASEL, AMEL) with Instrument Rating(事業用固定翼単発・多発操縦士+計器飛行証明) KOMMY(元ハワイ駐在員:現在は日本在住)のFLT(Flight)の模様をお送りしています。


ちなみに、
1970年生まれ、九州生まれの"おいさん"です。
(ウチの地元では、"おじさん"のことを"オッサン"と言わずに、"おいさん”と言います。)

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