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"Air Speed...not alive!"-IFR Training #11

2/14/10
Duration of FLT: 4.3hrs
Route of FLT: PHNL-PHHN-PHNL
Instrument App:2
 (GPS RWY26 HNM, ILS RW4R HNL)
Normal T/O:2
Normal LDG:2


IFRのLONG XCが終わり、50HrsのPIC XC TIMEも潰した。あとはHoodの時間を潰すだけだ。
前回のIFR LONG XCは基本的にすべてVORDMEによるNavigationとApproachだった。そのFLTのアトでMr.Mとの会話が、

「よし、次は12Fを予約するんだ、GPSを練習する。」
「あー、もう押さえてるよ。次回のFLTは12Fだよ。」

ということになり、GPSのNAVとAPPを練習することになった。

行き先はHANA(HNM)とHILO(ITO)。HNMのアプローチは唯一、GPS(RNAV)RWY26だけだ。風向きが逆ならサークリングすることになる。
そしてITOはまだ行ったことがない。基本的にどちらも天気が悪いことが多い、と思っている飛行場だ。

12Fに搭載されているGPはGarmin430、一応地図表示がある。
操作に慣れが必要。いろいろなメニューがあるようだが、実際にFIXを入力するとき等は、右下のツマミをグリグリまわして設定する。

ファイルしたPLNは、HNL MKK4.MKK OGG OPANA HNM、9000ft、機体のSuffixにはGPS搭載を示す/Gが付く。作ったFLT TIPはこんな感じ。
HNL-HNM.jpg


んで実際に出たクリアランスは、

"Cleared to HNM via MKK4.MKK PLUMB SWEEP, turn right HDG120,....."

FIXの名前がよく聞き取れず、メモりにくい。Suffix /GのおかげでATCがFIX直行ルートを指定してきた。リードバックで少々あわてる。正直、頭にイメージしていないFIXを言われると、リードバックも難しい。
この時点で、作ったTIPは半分役に立たない。

そしてMr.MがGPSのレクチャーをして、離陸してから行き先を入力しだす。MKKまではRV後直行なので、あまり気にせず飛ぶ。
Hoodを着用し、ATCからは”Proceed direct MKK, resume own navigation”の指示、これでTIPsはほとんど用済みとなった。IFRということで、雲がHoodの隙間から見えるようにあったら、NAVライトとPITOT HeatをONにした。雲の中に突入→Pitot Heat ONのクセをつけるようにした。

Mr.MがPLUMB, SWEEPと通過予定のFIXを入れていく。

「GPSなんて点と点を結んだレグのフライトで、そんなのナビゲーションじゃない。」

これが今までGPSについて思っていた認識だ。しかしコレが間違いだった。
今まで使ったこともなかったので知らなかったのだが、NAV1のソバにGPS/NAVの切り替えスイッチがあって、これをにGPSセットするとGPSコースから見たズレがNAV1に表示される!
それからGPSにはTracking CourseもGround Speedも距離も出るので、極論するとDMEの代わりにも使える。そして何よりも、点と点を結んで飛ぶレグは、簡単ではあるが決して退屈ではなかった。ATC側が先行的に2、3個先に設定したFIXへの直行を許可してくる。シミュレーターベースでは、B737のFMS(Flight Management System)とオートパイロットを連動させたFIX間を結ぶFLT PLNの作り方を経験したことはあるが、今、おそらく民航機のほとんどがGPSによるナビゲーションをしている理由が分かった気がする。

とにかく、便利なのだ。
そして、VFRで飛ぶ分にはSituational Awarenessのツールになるし、IFRで飛ぶ場合は、これは立派な計器だ。
あまり多用するつもりはないけど、GPSの操作に慣れれば、アプローチの方法の数は増える。

ATCからはHNM GPS(RNAV)RWY26のIAF”SEYOL”までの直行指示、アプローチブリーフィングを開始する。点を辿れば目の前がスレッショールド、たしかにこれは便利だ。
RWY8にサークリングしてLDG。

HNMは7ヶ月ぶりだろうか、以前来たのはMr.GとのXCだ。もうその様子もほとんど忘れてしまっていた。HNMはNone TWR、FLT PLNは自分でクローズしなくてはいけない。
携帯電話を取り出してFSSに電話しようとしたところ、なんと圏外!無線でFSSを呼び出し、FLT PLNをクローズする。

少し休憩したアト、HNMからITOへ向かう。クリアランスはFSSに貰うことになる。今度は概ね自分でファイルしたPLNのとおり。ただ、None TWR特有の時刻を言う部分がなんていっているのかよくわからない。ひとまずリードバックにトライするが、いまいちなんと言ってイイのか分からず、現在の時刻と実際のActivate予定時刻らしきもの、といった感じでのリードバックをした。最終的にはMr.Mが一部手直ししてたけど、ここはアトで復習だ。

RWY8へバック・タクシーし、フルパワー、グラウンド・ロールを開始する。

「ENG...2200rpm, CHK, Air Speed...NOT ALIVE!!!」

目を疑った。体感ではVyに到達しているくらいなのにAir Speedがゼロである。RWYの残りは約半分。

「Air Bornする!」

瞬間的に離陸を決断した。Abortすると、おそらく急ブレーキが必要になりそうな感じだった。すかさず、Mr.Mが”I got the airplane”とコールする。
意味が分からなかった。ここのことろ何かが必ずあるが、計器のエラーでAir Speedだけエラーってなんだ?
真っ先に思いつくのはピトー管が詰まっていることだ。でもなー、LDGのときは問題なく動いていたし。

以前、黙ってFuel SelectorをOFFにする模擬エマーを演出したことを思い出して、

「念のため聞くが、コレ、actualだよな?」
「そうだ、コレはオレじゃないし、ゲームじゃない。」

次に解決策として考えられるのは、ピトー・ヒートだ。特にピトー管の氷結がAir Speedをゼロにすることはありえる、そのためのピトー・ヒートだ。

「じゃ、Pitot Heatを試して見よう。」

スイッチに手を伸ばすと、また目を疑った。すでにPitot HeatはONになっている。なんで???

「あ、Pitot Heat、ONだ・・・」
「何分前からだ?」
「わからない、たぶんENGまわしてからだ。」
「Pitotが焼き切れたか?」
「そんなヤワなものなのか?」

FSSにコンタクトし、FLT PLNはキャンセルする。
LDG後、ENGを切るときに、確かに電気系統のスイッチは切った。少なくともNAV、AVIONICSは切っていた。ただし、Pitotはヨーク本体とヨークに取り付けたチャートの陰になっていて、見難い場所にあった。
とにかく、今は機体を下ろすことが先決、といってもMr.Mが操縦していて自分は座っているだけ。Air Speedが分からないので、体感で「ストールしないとわかるスピード」でアプローチをする。

「GPSのGS表示が使えるんじゃないか?」
「Good Idea、正確じゃないけどな」
「ないよりマシだよ。」

GPSのGSで90Kts前後でAppをして、スレッショールド直上からパワーを抜いて徐々にFLAPsを降ろしてドラッグを稼ぐ。これがプロのエマージェンシーLDGか。

クラブ・オーナーのMr.Mに電話をして状況を伝える。しかし携帯電話は通じない。

「公衆電話探してくる。」
「ビルのウラの自販機の隣だ」

公衆電話には50セントでローカルコールは話し放題とある。50セントを入れてクラブオーナーの携帯電話にかける・・・が、なにやらアナウンスが出て、オペレーターが、

「いくら投入しましたか?」と訊いてきた。50セントと答えると、

「その電話番号にかけるのであれば、1ドル35セント必要です」と言う。

「1.35だって」、Mr.Mと苦笑する。

ひとまずオーナーの携帯電話の留守電に、Mr.Mが状況を伝える。

トラブルシュートに入る。Mr.Mはピトー管付近のパネルのビスを緩め始めた。必要なパネルを外して、翼の内側のピトー管の根元あたりを触っている。

「やっぱりだ、溶けている。」
「溶けている?なにが?」
「オレの手の上から触って見ろ」

Mr.Mの手を辿るようにピトー管の根元を触って見るが、よくわからない。

「ナイフはもってるか?」
「持ってない。そこのターミナルビル(という名の無人の小屋)になにか使えるものがないか、探してくる。」

このターミナルビルは、果たして使われているかどうかも不明な雰囲気だ。カウンターらしきものがあり、その引き出しを物色する・・・虫の住処になってたりする。
5分後、First Aidを発見。中に衛生用ハサミがあった。これをMr.Mに渡すと、翼のパネルから透明なプラスチックのチューブが出ていた。先端が溶けている。


「ピトー管とコックピット内の計器をつなげているチューブだ。」


えー?こんなもんで繋げているの?ただのゴムチューブじゃん、コレ!機構的にピトー管とAir Speed Indicatorが繋がっていることは理解していたが、金属製のパイプか何かでつないでいるのだろうとイメージしていた。というか、考えたこともなかった。ホームセンターに売っていそうな感じのパーツだ。技術によって機体が軽くなるワケだ。


いずれにせよ、Pitotを入れっぱなしにしたのは自分のようだ。そう考えると、イヤな気分になってきた。ただ、本当にPitotヒートって無用にONにしてはいけないものなんだろうか?管が溶けるくらいなら、どこかに「地上ではONにするな」と描いておいてくれればいいのに。

ところで、Mr.Mはコレが直せるという。
ハサミを渡した後、他に使えるものがないか探しにっているあいだに作業を終わらせたようで、どうやらゴムチューブの先端をキレイに切って、ピトー管と直付けしたらしい。

「大丈夫かどうか分からないけど、ハイスピードでタクシーやってみる。」
「じゃ、オレはここで待ってる。」
「OK」Mr.Mはまたしても苦笑い。
タクシーが危ないからではなく、もう一度オーナーに電話する必要があるためだ。

小高い丘が遮っているため、ランプからはRWYENDが見えない。12Fのフルパワー音が聞こえて数秒後、その丘からフワリと浮遊した12Fが見えてきた。どうやらOKのようだ。

本来ピトー管とチューブはコネクターで接続されているが、Mr.Mはこれを応急で直した。Mr.Mは免許を持ったメカニックではないので、これで完全に修理したとはいえない、ひとまずこれで飛べるようにはなった。ここで1時間少々時間を食ってしまった。今日は自分たちのアトに12Fを使う組が2組ある。その時間までには持ち帰りたい。

「ITOまで行くこともできるがどうするか?」
「いや、今日は戻った方がいいだろう。HNLに戻ろう。」
「それがイイと思う。」

普通に考えれば、これは機体の不具合なんだと思う。でも、例えば「地上ではPITOT HEATはONにしない」というのが自分の知らない常識であった場合、自分が飛行機を壊したことになる。そう考えると、これはちょっとショックだった。

それから、Take Off RollのAirspeed CHKをもっと早くすべき、と感じた。HNLだとRWYが長いので余裕だが、今回のように短いRWYだと、もっと早めに気付いていればTake OffをAbortすることだってできたかもしれない。

気を取り直してENGをまわすが、かぶってしまう。Mr.MがかわりにENGをスタートさせる。どうもメンタル面にきているらしい。泣きっ面に蜂か・・・
HNMのタクシーウェイ”A”でHold ShortしてCTAFでアナウンスすると、InboundのTraffficが1機、また1機と入ってくる。正直、航空無線であまり日常会話的な問いかけをされると、聞き取りにくい。ここら辺はMr.Mが交信する。10分くらいたって、やっとRWY8をバックタクシー。

帰りはマウイ島東側からFIX伝いに南下してV16に乗り、HNLに戻るコースを辿った。ただし、コレもRNAVのコース。VORはバックアップ的に使う。Hoodを着けてVFRで8,500まで上がる。しばらくすると、ラナイ島が見えてきた。その形が今日もGoogle Mapのとおりに見える。
HNLへのアプローチを担当するHCF APP on 119.1にコンタクトした時点でILS 4RのRVを要求、一気に1,500まで降ろす指示。ATISを入手して、Mr.Mにアプローチブリーフィングをする。アプローチのブリーフィングも大分慣れてはきたが、まだぎこちない。
ILSのアプローチ自体は、今回はあまり左右にぶれなかったようだが、Glide Slopeを下回ること2回、なんとかパワー調整で復帰した。209ftでLook out、位置はそんなに悪くなかった。そのままラウンドアウトに入るが、接地寸前では弱いながらもいろんな方向からのタービュランスを感じて煽られる。ドシンと落ちこそしなかったが、機首の方向をうまくコントロールできず、やや斜めに降りた。あまりキレイなLDGではなかった。

"N12F, turn right ”F” and ctc GND 121.9”
確かにそう言われて、そのまんまリードバックした。

なのになぜか”F”の手前で、

「Fって言ったよな?」

と思い、Mr.Mに確認しようと思っていたら、Mr.Mがブレーキを強く踏んでいた。

危なくこそなかったが、なぜか忘れてしまった、疲れか?
たしかに、ピトー管のチューブの件で、メンタル的に若干ダメージがあったのは否めなかったようだ。メンタルはFLTに影響する、それを実感した。

クラブに戻ってからMr.Mはメカニックと電話で話しているようだった。ディスパッチでも話していたところを総合すると、

「何分間PITO HEATつけてたかって?そんなの関係ないだろ。もし、長時間つけてはいけないものであるならば、Pilot Operation Handbookに書いてあるはずだろう。そんあことはどこにも書いてないし、聞いたこともない。本当にPITOT HEATを少しつけていたくらいで溶けるものなのかどうか、それがオレの本当のクエスチョンだ。」

やっぱり時間じゃないよな・・・

HNMまでの往復で終わったが、それでも4.3HrsのFLTとなり、内4.0HrsがHood Timeとなった。残り6.5Hrs、あと少しだ。


これまでの飛行時間:188.6Hrs

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ビザは1つだけです。

空大好きさん、初めまして。
カキコミありがとうございます。

海外勤務の可能性があるとのコト、私は実は着任してから5ヶ月くらいはナニもしていませんでした。今考えると、もったいないことをしたと思います。空大好きさんは事前に準備できることはやっておいて、計画的に進められるといいですね。

ビザについてですが、2種類とる必要はないと思います。私の場合、駐在勤務のために取得したビザのみです。詳しいことは調べていませんが、フライトスクールで取得するビザは、おそらくトレーニングをするために合衆国に滞在する必要性を認めてもらうためのビザなんだと思います。つまり、「飛行機の免許を取りたい、そのためには期間を要する、だから長期滞在できるビザが欲しい」というシロモノだと思っていました。中にはそのためだけにアメリカにやってくる人もいるようです。空大好きさんも、おそらくお勤め先が準備したビザで渡航されるはずですから、合衆国に滞在するためのビザはその1種類でいいと思います。

ビザよりも、むしろ我々外国人にとってはフライトトレーニングに関してTSAの許可が必要となります。しかもお金も取られます。その辺の準備事項も下調べしておいた方がイイと思います。

なお、アメリカでの航空留学に関しては、ちょくちょくコメントをいただいています、CFI-Japan(http://www.cfijapan.com)のうえださんが膨大な情報量をお持ちです。ぜひそちらも見てください。





No title

こんにちは
初めてコメントします。
Instrument ratingまであと少しって感じですね!
応援しております

今まで指をくわえてKOMMYさんの環境を羨ましがってたのですが、私にも海外転勤のチャンスが来そうです。まだ確定ではないですが、、、

いろいろ調べてるのですが、飛行機の免許を取るビザは、会社で取る労働ビザとは違うようです。
KOMMYさんは2種類のビザを取得されたのでしょうか?
もしお差支えなければ、そのあたりを教えていただけると幸いです。

自作です。

うえださん、どうもです。
カキコミありがとうございます。

チャートはMicrosoft Power Pointで作りました。お絵かきソフトであれば、なんでても作れますよ。
En route chartってごちゃごちゃしているじゃないですか、見たい部分は小さいエリアなのに、見るためにはチャートを画バッと広げないといけないし、畳んだり広げたりってそれだけで集中力がそがれるというか。
で、レターサイズを横半分に折って、上にルート、下にレグごとのNAV1,2の周波数とOBSを書いたものを印刷して、ヨークのクリップに挟むコトを思いつきました。イントラも感心してて、自分では「ルートのvisuarization」と呼んでいます。
ただ、今回のように予定が変更になったら、役に立ちませんね。


ピトーヒートは、私も不可解に思っています。別に機体を壊したとも言われてないし、修理代を請求されたわけでもないのでイイんですけど、個人的には、今後ピトーヒートを入れるのは5000ft超えてからですね。ちなみに、ハワイ諸島のFreezing Levelが13000~あたりなので、まず心配することはないんですけど、それでも「雲に突入するならピトーON」とイントラから習いましたし・・・12F固有の話なんだと思います。
にしても、あんなヤワなゴムチューブで繋がれているとは思いませんでした。

気が付いてみると

Kommyさん、毎度。

メールばかりで、ごちゃごちゃして、Blogを見てませんた。 ふと見ると、何やら凄いチャートが。 あれはKommyさんの自作チャートですか? 結構、やりますね。

Pitot Heatの事は、どうなんでしょうね。 今まで気にした事は無かったなぁ。 Pitot Heatは結構な頻度でONにしていたし、IFRでのPreflightじゃ必ず電源を入れて点検していたなぁ。たぶん、切り忘れた事もあるぐらい、深く考えた事が無かった。

これはHawaiiの気候なんですかね? どうなんだろう。 でも、Onに長時間できないとなると、冬場での計器飛行は怖いよね。
プロフィール

KOMMYthePILOT

Author:KOMMYthePILOT
このblogでは、FAA Commercial Pilot(ASEL, AMEL) with Instrument Rating(事業用固定翼単発・多発操縦士+計器飛行証明) KOMMY(元ハワイ駐在員:現在は日本在住)のFLT(Flight)の模様をお送りしています。


ちなみに、
1970年生まれ、九州生まれの"おいさん"です。
(ウチの地元では、"おじさん"のことを"オッサン"と言わずに、"おいさん”と言います。)

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