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"Solo XC"

【動画情報】
この記事には、動画が1本あります。

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08/18/09
Duration of FLT: 5.7hrs
Route of FLT: PHNL-PHLU-PHKO-PHNY-PHNL
Normal T/O:4
Normal LDG:4

先週からずっと天気予報をチェックしていた。月曜日と火曜日はGust、つまり突風の予報がない。そし
て風は10kt前後、soloのXCには願ってもないコンディションだった。
そして火曜日当日、各飛行場のTAFを確認し、どこもVMCだった。XCに出ることにした。

全くの不安要素がなかったわけではない。天気予報では、「ところにより雨」としか発表されなくて、降
水確率は20%未満。これがどの程度影響するのかは飛んでみないとわからない。とにかく、プリフライトの範疇で確認した結果は、各飛行場ともVMCだ。

予定ルートは前回Konaに行ったときと同じ、HNLからモロカイ島北海岸にあるKALAUPAPAへ向い、そこからマウイ島に渡って同じく北海岸のHana、そしてハワイ島(地元チックにはBig Islandと呼ぶ)へ渡って西海岸を南下してKonaにたどり着く、エンルートは3,500ft。帰りはKonaからLanaiを経由してHNLへ戻るルートだ。Lanaiまでは6,500ftまで上がって、Lanaiからは2,000ft戻る。

このXC Soloでは2つのことを満たす必要があった。いずれも、FAAのライセンスを日本に持ち帰って書き換えするために必要なことだ。

1つは、全体で5.0hrs以上のFLTとすること。
前回が4.7hrsだった。時間にしてあと18分間、なにか余計なことをすればイイ。

もう1つは、KALAUPAPAかHANAのどちらかには、必ずLDGすること。
ひしゃげた三角形にしないためには、どちらかは必ず必要だ。ちなみに、経験豊富なMr.Gによれば、
モロカイ島北部とマウイ島北部は、共に海からの風が山肌を上るため似た様な天候である場合が多く
、KALAUPAPAが天気悪ければHanaも天気悪い、というのが通説(?)らしい。

12F、540と、ここのところずっと46Jn乗っていなかった。久々の46J、クッションは必要だが、やはろコイツが一番イイ。540で聞きにくかった無線だが、コイツはよく聞こえる。

Solo、しかも洋上を飛ぶとき、いろんなことを考える。

もし洋上でENG止まったりしたら、どうしよう・・・自分にあるのは、腰に巻きつけた救命胴衣だけ。
Mr.Gがいるときは、救命イカダ(10万円位する)やGPSロケーター(5万円くらい)を搭載したりするが、
自分にはソレがない。身につけた救命胴衣も、Mr.Gが貸してくれたものだ。もしディッチング(洋上着
水)することがあれば、電波を発射するものは機体に標準搭載されているELTだけ。ENGが止まって
再スタートしなければ、緊急周波数121.5MHzで、状況、機体レジ、着水予定ポジション等の「探して
もらうのに必要な情報」をブロードキャストする。泳ぎには自信がある。これでも、1日1マイルを日課と
している。でも、仮に着水して、陸地の方向がわからなければ、泳ぎようもない。121.5と、ELTと救命
胴衣を信じるだけだ。あ、サメはいないんだろうか?

そんなことを考えながらも、1973年製の46Jにすべてを託す。
「大丈夫、いつもどおり働いてくれ」
こう心の中で問いかけて、機体に乗り込んだ。

HNLをT/Oしたのが07:40AMくらい、風もほとんどなく、上昇中もスムースだ。H1をフォローしながら、パンチボール、アリーナといったところを眺める。Kokohead VORTAC(CKH)真横を通過してClass Bを出域、レーダーサービスを終了して、HNL Radio(Flight Service Station)にコンタクトして、事前にインターネットで提出しておいたFLT PLNをActivateする。

CKHから南東に飛行して10マイルほど、振り返るとオアフ島が見える。そしてモロカイ島はまだよく見えない。むしろ雲が同高度に点在している。予定どおり、3,500へ上昇する。上昇すると、そこはこれまでに見たことがない、最高の「雲海のような」光景だった。
誤解のないように注記すると、雲海ではなく、雲海のような、つまり、ちらほらと隙間があって、地面・水面を確認することは可能な雲量だった。けど、遠くを見ると、例え隙間があってもわからない、そんな感じだった。左前方には発達中の積乱雲が大きくそびえたつ。高高度にはSirrus、筋状(?)というか板状の雲が見える。教科書で見るすべての雲を眺めている感じだ。本当に、飛んでいることを実感できる瞬間だ。

MolokaiのClass Dが近づいてきたため、隙間から入って1,500まで降りる。さっき見えていた雲海のような雲を下から見上げる。さっきとは逆に、なんか雲に服従している感じ(?)あちこちに雲があり、その下の海面がまわりと色が違うのがわかる。

「雨か・・・」

といっても、まとまった雨ではなく、小さな雲の下だけ降っていて、その雲から逃れると、まったく降雨がない状況だ。自分と同高度にある雲を避けるため、高い高度にある雲の下を通らないといけないこともあったが、心配こそしたものの、KALAUPAPAをインサイト(視認)した。

モロカイ島の北海岸にちょこっとだけ出た岬の先端にある、Kalaupapa Air Port、RWY5-23、短いし、狭い。前回は強烈なクロスウィンドに煽られた、そして飛行場上空をを南西から進入しているときは雨
だった。今日は上空からウィンド・ソックを見る限り、ほぼ無風のRWY5より。そして飛行場の真上で太
陽が見えた。ひとまず降りてみることにした。
雲も動いていて、パターンの飛行には全く支障なかった。そのままRWY5にLDG、またスッキリしない「ずんだれた」LDGだったけど、まあヨシとしてFull Stopすることにした。
RWY5を反対方向にタクシーダウンすると、まるでウチの地元の無人駅のような小さい建物と、その前にちょっとした50m四方程度のパーキングエリアがあった。1機だけ隅に駐機されているだけだ、適当に駐めていいんだろうと機体を停止させると、建物から人が出てきて「もっと前に!」と手を振っている。ちなみに、止まろうとしていたのはコンクリートのパーキングエリアの端っこで、その先は芝生、どうやら芝生の上に駐めろということらしい。一旦芝生に出て機体を反転させて、コンクリの手前でエンジンを止める。これで次にスタートするときは、前進するだけでイイ。
46Jを降りてみると、どうみても無人駅の雰囲気。ひとまずトイレ休憩をとる。静かだ・・・。

さて、ひとまずKalaupapaに降りたわけだから、あとはKonaまで行ってHNLまで戻れば、日本のレギュレーションに合う形でのXCが成立する。あとは、今日1日で5.0hrsを満たせれば文句ナシだ。そんなことを思いながら休憩もソコソコにして、RWY5をTake Offして東へ向った。

モロカイ島の東端Cape Halawaを抜けてマウイ島へ向う。Hanaへ向うためには、KahuluiのClass Cを
抜ける必要がある。目の前の雲は低い、1,500ftで回避するように飛ぶ。そして、ここはAPPにコンタク
トしてClass CのTransitionを要求する。前回は具体的に090とHDGを指示されたが、今回はKahului
から北へ6NM以遠を維持することと、1,000ft以下の高度を維持することを要求された。ハワイアン・ル
ルで飛ぶときは、東行きは500ftとなる。海面から約150mの高度、感覚的には手が届きそうな感じだ。そして立ちはだかる雲の隙間を探しながらClass Cを抜けていく。

Class Cをまもなく抜ける頃、前方の雲が怪しくなってきた。横に広がっているし、色が灰色だ。モロカイ島の北部とマウイ島の北部がリンクしているなら、地面は見つつ飛行できるハズだ、そう願っていた。そう思いつつも、頭の中ではKahului Class Cを南に抜けてマウイ島南部をフォローすることを考えていた。

さすがにこれは悩んだ。こんな場合、安全策を早く選択する方が正しいと思う。ただ、ひょっとすると部
分的に今見えにくいだけで、KahuluiのようにVMCの可能性は否定できない。もう少し待ってみようと
思っていたら、

"N46J, 10NM NW of air port, radar service terminated, squawk VFR, fq change approved, good day"

との指示。一応レスポンスして、目の前の霧のような雲のような視界を1分間だけ見て、ダイバートを
決心した。

”HCF APP, N46J, we have low visibility for east bound, rq south trandition class C air space."

APP管制官も、なんのことかわからなかったようだ。とにかく南に抜けさせてくれ、抜けさえすれば、大人しく南方洋上に立ち去るから。

South transitionは許可されたが、このとき、とても役にたったのがMr.Gが貸してくれたGPS、GRMIN195だ。旧式で白黒液晶画面だが、これがClass Cをエリアを確認するのに大活躍だった。も
ちろん、DME(Distance Mesure Equipment)でKahului VORTACまでの適切な距離を保ちさえすれ
ばイイだけなのかもしれないけど、安心して空域を北から南に横断することができた。ATCサイドとしても、今空域を西から東に抜けたばかりのトラフィックが、今度は北から南へ抜けるルートを要求し、視程が短いと騒ぎ、なおかつ日本語訛りのStudent Soloと聞いて、少々ビビッてたかも。

ここで本日のルート↓
081809route.jpg
というわけで、Hanaは諦めた。Kalaupapaに降りておいて、本当によかった。

Class Cを抜けて再び洋上に出ると、青空が見えた。あとは、UPP VORTACへのダイレクト・コースをと
り、ビッグ・アイランドにたどり着いたら西海岸をフォローすればいい。雲がなくなってから、ふたたび
3,500ftまで上昇した。
ビッグ・アイランドの東海岸が左手に見えてきた。その先にHanaがあるはずだが、やはりその向こうは雲で覆われていて見えない。ダイバートして正解だったようだ。それと、なによりもKalaupapaでちゃんと降りて、トイレにも行っておいたのも正解だった。

Konaが近づいてきて徐々に高度を下げていく。Kona TWRを呼び出すと、向って左側にみえるハイウ
ェイをフォローして南下しろとのコト。この途中で、前回わからなかったリポート・ポイントCYNDER
CONEも確認できた。実は、前回のFLT後、Mr. GがKonaのVFRリポート・ポイントを調べてくれて、い
い資料を入手してくれていた。それでだいたいの位置はわかったが、実際には行ってみないと判らない。それらしきポイントに近づき探してみると、横幅の広いパイロンのような丘陵があった。これに違いない。
ハイウェイを南下すると、最終的にKonaのRWYと平行になっている。つまりそのまま陸地側のダウン・ウィンドに入ることになる。このときの使用RWYは35、wind330@10kt、若干の左からのクロスウィンドを感じつつ、めずらしく両手でヨークを持って、ナットクのいくLDGを決めた。

まずは給油、前回と同じFuel Farmまでタキシングする。給油スポットには2人乗りヘリのRobinson
R22がローターを回した状態で待機している。乗員は2名、どうやら訓練中のようだ。R22あたりで飛ぶ
コストって、たしかセスナの倍するんだよな・・・
次に、TWR前のパーキングへ機体を移動させ、ちょっとした休憩を取る。
PIC_0065.jpg

Kalaupapaでトイレ休憩はしたから、ここで切迫した状況にはならなかった。TWRの麓まで歩いていこうと思ったら、ソバに消防署があって、消防士が歩いていたのでトイレの場所を聞いてみることにした。

「トイレ?ウチのトイレ使っていいよ。」

消防署にお世話になってしまった・・・

これまた休憩もそこそこにして、Konaを飛び立つ。
上がるときに少々待たされた。空軍のKC135がまさに飛び立ったアトだった。
KC135.jpg



NWにHDGをとり、6,500ftまで上がる。マウイ島北部とは全く違う青空、それでも少し雲は見える。Konaを上がって20分後、ふと後ろを振り返ると、まるで雲海!これも海面は確認できているから問題はない。
前方に赤茶けた島が見えてきた。カホオラエ島だ。ここまでの飛行時間を確認してみると、このまま
Lanai、HNLと帰ってしまうと5.0hrsを切ってしまう。ためしにこの島を1,000ftくらいで1週してみることにした。どこまで行っても荒野だ、赤茶けた土地と、野生の草、人の住んでいる気配はない。1周するのに

約14分(0.2hrs)、島を1周してしまう寸前、テントのような人工物を発見したが、高度1,000ftからで
はよくわからなかった。もし、人気のない生活を好む人が住んでいて、500ftまで降下して「ウルサイ」と苦情を言われるのも困るので、そのまま飛び去った。
Lanaiに差し掛かり共通周波数で呼びかけると、北側から進入するトラフィックが応答してきた。衝突
防止のために、お互いに位置、高度、インテンションをリポートしあう。しかし、どうも相手の様子がおかしい。位置とインテンションを何度も確認してくる。

「ところで、そっちはイントラはいないの?」
「46J、Student SoloのXCだ」
「こっちもだよ」

・・・ナットクした。先に下りてまたもや念のためのトイレ休憩を済ませ、その相手を出迎えて少々お話
した。アジア系の大柄な若者という感じだった。聞けば、同じHNLにベースのある某スクールでくん連中らしい。インジェクション機に乗っていた、機体は豪勢なようだ。46Jのコックピットを見て、驚いていた。吸盤式三脚で固定したビデオカメラ、それとフォーンジャックに繋いだICレコーダー。

「ま、ボイス・レコーダーかな。ATCの勉強になるよ。YouTubeでcessnariderkommyで検索すれば、ヒ
ットするよ。」

このあと、LanaiでTGLを2回して、周辺で少々の時間調整をして、確実に5.0hrsを超過することを確
認してHNLに向った。
CKHのSE15DMEでAPPにコンタクトするが、しばらくSTBYの指示。忙しそうだ。11DMEになったところ
でもう一度コンタクトするが、またしてもSTBY。仕方がないのでそのばでホールディングを開始した。3
周、4周、まだ呼び出されない。その割には、アトから入ってくるトラフィックにクリアランスが出される。6周目の途中で、

"HCF APP, N46J!"

とだけ呼びかけると、ワンテンポの静寂の後、

"Squawk 1673"

ひょっとして、忘れてた?

FWY2 Arrival、朝HNLを出てくるのと逆順のルートを500ft高い2,000ftで辿る。LDGのクリアランスが出ない限り、2,000ftを維持しないといけない。RWY4R/Lのアップウィンドの延長線上に来たところで
RWY4L ダウンウィンド、1,500ftまで降下の指示、このままではスゲー急降下を強いられることになりそうだから、この時点で80ktでFLAPs10°のコンフィギュレーションにした。
RWY4LのAbeamを通過、まだ降りられない。

”N46J, extend downwind, I call for your base"

え~、まだ引っ張る?もうすぐRWY8Rの延長線を通過するぞ~。

"N46J, turn to base RWY change RWY4R, cleared to land"

こうして飛んだ5.6rs、昼飯も食わず水分もあまり摂らず、さすがに疲れたが、充実したFLTだった。
Wind calmでのLDGの跳ねはラウンドアウトからフレアの特訓でカバーするとして、基本的に及第FLTだった。特に、Mauiでのダイバートは自分でもよくやったと思いたい。

さて、このあとはMr. CとのNIghtXC。しばしの休憩だ。
46J、お疲れさん。




これまでの飛行時間:91.2hrs

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KOMMYthePILOT

Author:KOMMYthePILOT
このblogでは、FAA Commercial Pilot(ASEL, AMEL) with Instrument Rating(事業用固定翼単発・多発操縦士+計器飛行証明) KOMMY(元ハワイ駐在員:現在は日本在住)のFLT(Flight)の模様をお送りしています。


ちなみに、
1970年生まれ、九州生まれの"おいさん"です。
(ウチの地元では、"おじさん"のことを"オッサン"と言わずに、"おいさん”と言います。)

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