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"X Counry"

05/30/09

Duration of FLT:2.1hrs
Route of FLT: PHNL-PHNY-PHMK-PHNL
Normal T/O:6
Normal LDG:6

この2週間で4回のFLTをキャンセルするハメになってしまった。ただし、内3回はMr.Gがインフルエンザにかかってしまったため(1回は自分が腹を下したため)だ。
とにかく、2週間ぶりのFLTが、X Country(クロスカントリー、略してXC)だ。
XCは、出発地から50NM以上離れた到着地まで飛んで帰ってくる、というものだ。
事前にどのようなコースを飛ぶのかは、NAVLOGで計算しておいた。このNAVLOGの計算では、自分が飛行する方角、飛行速度、区間ごとの距離、所要時間、燃料消費量等を算出しておく。
今回の目的地はオアフ島から見て南東に位置するラナイ(LANAI)島、その島に1つだけあるLANAI Airportだ。
VFRの場合、基本的に地上に見える目標(ビルとか山とか道とか・・・)を目印にしながら目的地まで飛んでいく。ただし、今回のように洋上を飛行する場合は、無線航法機器を使う。地図上の、オアフ島南東部にあるKokoHead VORTACとラナイ島南部にあるLANAI VORTACを結ぶ線を辿れば、LANAI Airportはすぐ目の前だ。

まずスクールに到着してMr.Gを見たとき、なぜかライフベストを着ていて少々たまげた。
借りに洋上で飛行機が動かなくなったりして着水をする場合の備えだということはスグにわかったが、念のため聞いてみた。

「今回は洋上を飛行するからだ。」

他にも、8人くらいがつかまることが出来る「折りたたみ救命イカダ」ぽいのや、民航機に乗ると離陸前に放送されるあの「救命胴衣」の折りたたみ版を取り出し、救命胴衣は自分に着けろという。
少々緊張する。以前はペンシルバニアだったから海岸線までは程遠かったし、そんな心配もしてなかった。
「海を渡るのかー」という気がしてきた。

作ってきたNAVLOGをMr.Gに見せつつブリーフィング、コース、燃料、所要時間、計算に問題なし。
これまでは離陸後は西にあるSolo Practice Areaに行くか、さらに西にあるKALAELOA AirportでのTGLばっかりだったので、PHNLからの出発方式は"RED HILL THREE"だったが、今回は初めて東へ飛行するので、方式が"FREEWAY FOUR"と呼ばれるものになる。なんてことはない、フリーウェイをずっとフォローしていけばよいのだ。つまり、ワイキキ方面を通過する。そのうち、フリーウェイがハワイ・カイというエリアで終わり、そこからハイウェイに切り替わるので、ひたすらそれをフォローする。高度は1500。

「今日はフライトプランはファイルするのか?」
「今朝、してきた。」
「え?したの?」
アメリカでVFRで飛ぶ場合、フライトプランの提出は義務付けされていない。ただし、(こう言うと御幣があるが)トレーニングの科目としてStudentにフライトプランを作らせて提出(ファイル)するということはある。
本来は提出するのが望ましく、それをもとにFlight Servce Stationに設定したチェックポイントの通過時刻を通報したり、目的地に到着したらプランをクローズする、これらによって飛行安全の一助とする、というものだ。


2週間ぶりにN9846Jとご面会。プリフライトを淡々とこなし、ENG START、TAXI、そしてFREEWAY FOURでPHNLを離陸した。
ハワイに駐在してもうすぐ11ヶ月になる、ホノルルの道はクルマであらかた走ったつもりだ。そしてその光景が眼下にある。位置がだいたいわかる、ちょっと気持ちイイ。
Koko Headを右に見たところでClass Bを出域、管制からFq Change がくる。

そして海だ。

めったなことでは後ろは見ない、前、左右、下を見ると海しか見えない。これは今までにない体験だ。
逆に言えば、ここで無線航法機器が全て壊れたら、漂流決定だと直感した。キレイだけど、なんとなく呑み込まれそうな眼下の海は、そのように見えた。
オアフから離れて15分もしただろうか、10時方向に薄っすらと島が見えてきた。モロカイ島だ。目的地のラナイ島は正面方向に位置しているが、海と雲の他は何も見えない。
視程はいいとは思うがそれでもやや霞んでいて、さらには結構雲も出てきたので30NM先は見えない。
Mr.Gが言うには、

「あの正面の雲の下にラナイ島があるはずだ。」
「へ?本当か?」
「本当だ」

ここで結論から先に言うが、今日はLANAIまでの往復だけでは終わらなかった。
本日のルート↓
route
オアフを離れてからは一直線の方向なので、その正面方向にラナイ島があることは一目瞭然。そして大きな雲の塊がまわりと違う環境によってできたもの(海と陸地)であれば、Mr.Gの言っていることはごく自然のことなのだと理解した。

このルートで黄色の部分は"HOOD"を着用して操縦した区間だ。HOODとは1種の目隠しで、着用すると目の前の計器しか見えないように視界を制限するメガネだ。言って見れば計器飛行の訓練を模擬しているようなものだ。
これをVFR(というかPrivate Pilot Training)でやるメリットは、不可抗力的に雲の中に入ってしまった場合や、水平線が見えないくらいに霞んでいる場合の対処能力向上、ということらしい。

ということでHOOD着用開始。
高度を維持するとともに、コースもずれないように維持する。これを計器だけを見ながら調節する。VFRに慣れてHOODをつけると、いかに眼球の視界から入ってくる情報量が多いかということを再認識させられる。
ここでMr.Gから

「3500(ft)へClimb」

の指示。フルパワーで上昇する。
フルパワーで上昇姿勢、P-Factorで機体が左へ勝手に旋回しようとする傾向が最も顕著となる姿勢だ。放っておくとHDGが勝手に左に動いていく。
これを、外を見ずに(見えないんだけど)計器だけを見て修正していく。なかなか手ごわい。

約20分くらいHOODでの操縦をして、Mr.Gが「HOODを外せ」というので外した。目の前に大きく広がる島がラナイ島だった。
LANAI VORTACから北へ2NMの位置に飛行場はある。目の前の位置関係はすでに2時方向にVORTACをインサイト、ということは10時方向に飛行場か・・・。
RWY3-21の1本、ここには管制塔がないため、飛行場に降りたりTGLするトラフィックはウィンドソックを見て使用するRWYを判断し、決められた周波数でそれぞれ自分のインテンション(これからやろうとすること)をアナウンスする。

"LANAI TRAFFIC, N9846J 2nm south west of air field, cross mid field at pattern altitude, LANAI TRAFFIC"

もし見えないところに在空のトラフィックがいれば呼びかけてくるだろうし、ダレもいなければなんの応答もない。
ここでTGLを3回(最初はMr.Gによるデモ)やった。ここのところLDGがスランプになっていたが、ここでのLDGは非常にキレイにキマッタ!タイヤ接地の音も「ンキ!」と言う感じで心地いい。

普通XCだと目的地でFull Stopして休憩したりするもんだが、TGLをやったあと、Mr.Gが「あるポイントを見に行く」というのでそのままLANAIを離脱した。
ラナイ島北東部、Kaena Point。東を見渡せば断崖絶壁、なかなか風光明媚(?)だ。その先に難破船があるという、よく目を凝らしてみると、それらしい物体が見える。チャートにも小さく難破船のマークが記される。
そして正面にモロカイ島を捉えるように2000ftを維持して飛行中、Mr.Gが航法機器をいじりだした。
LANAI VORTACからの距離10NM、MOLOKAI VORTACまでの距離13NM、ほぼ両島の中間点の海上上空だ。ここでMr.Gがクイズを出す。

「ここでエンジンからちょっとバラつく感じの音が聞こえてきた。まだエンジンは動いている。さて、どうする。」
「んー、グライドで65ktの維持か?」
「エンジンはラフな音がするんだけど、まだ動いているんだ。」
「・・・エンジンのリスタート?」
「だからエンジンは動いているんだ。」
「・・・不時着適地を探して着陸する。」
「不時着か、それは最終手段だな。ところでここから最寄の空港ってドコだ?」
「(NAVLOGのダイバードリスト見ながら)PANDAか?」
「正面がMOLOKAI Airportだよ。そこにダイバードだ。TGLやる。」

って今からMOLOKAIに降りるンかい?それNAVLOGともフライトプランとも違うだろー?

「黙ってたけど、コレ、朝ファイルしたフライトプランのとおりのルートなんだ。」

納得。

ここではTWRが開かれていて、普通のATC交信をしながらTGLをこなす。自分で言うのも変だが、これもまた今までのスランプがウソのようなLDG。
というのも、LANAIもMOLOKAIも、ほぼ無風だったからだと思うけど。

TGLを終わらせて、PHNLに戻ることにした。Mr.GがHDG270で高度2000を指示、ここでまたHOODの登場。
そしてそのままHCF APPとコンタクトをとることになった。といってもここはHOODのままだったのでMr.GにATCは一任した。
南東からの進入なので、管制が洋上南側からの経路へと誘導する。この間、HDGとALTの指示だけがATCからくるので、ほぼIFRでの応答要領に等しい。

この管制官が非常にフランクな管制官だったのか、よく喋る。
逆に管制用語以外のことを無線越しに言われると、かえってなにいっているのかわからない。そう、コールサインを呼ばれていることさえ認識が難しかったりする。だって、他のトラフィックへの指示が終わったあとに継ぎ目をつくらずに「46J」と読んでくるんだもん。
おかげで、2回ほど応答し損ねた。それでも、途中HDGが聞き取りづらかったときはconfirmしたのでよしとしよう。

"46J, Airport 5nm from you, resume own navigation, contact TWR"
"Resume own navigation, contact TWR, 46J, good day"

ここでまたHOODを取る様にMr.Gが指示、目の前にはよく見慣れたPHNLが、いつもとは前後逆に見えていた。
いつも半分興奮状態なのでだいたい聞き落としているんだけど、今日もクロス・ウィンドで140@10ktという状況だった。RWY8LをHold Shortするジャンボを眼下に見つつファイナルへ入る。
機首の風上(右側)に向けてのcrabでのアプローチ、感覚で機首が20°は右に向いているような気がする。とにかく、アプローチはバッチシだ。まっすぐ進入できている。さて、LANAIやMOLOKAIのようになんなくキメて、スランプ脱出なるか?

アプローチ姿勢からラウンド・アウト(水平姿勢)に持ち込み、徐々にフレアを開始した。なぜか機体が上昇!

「まただ」

やはりまだ高度が高かったようだ。そして接地は水平にしてしまったようで機体が跳ねた。ここでMr.Gがコントロールをとった。
こーゆー場合、対処は2通り、Go Aroundするか、少しだけパワーを加えるかだ。跳ねたことで機体は再び引き起こし姿勢になるが、速度が足りないため失速する。となると、約3mの高さから落下することになる。
これを防ぐには、パワーを加えることでその落下を緩やかな降下率に変えることだ。ただ、これが経験がナイとなかなか難しい。10ktのクロス・ウィンドは難しいとMr.Gも慰めてはくれたが、いつかはこーゆーのもクリアしないと成長しない。

ただ、なぜPHNLで失敗するのか?それはLANAIやMOLOKAIと違い、RWYの幅が広いため目の錯覚に陥っている可能性もあるとMr.Gはいう。アプローチ中はRWYの数字を、ラウンド・アウトからはRWYエンドを見て姿勢を判断し

なくてはいけない。どうもこれがまだウマクいってないのも要因の1つのようだ。
またKALAELOAでひたすら練習だ。

筆記試験も終わったことだし、あとどれくらいでライセンスが取れるのか、聞いてみた。

「この夏が終わるまでには取れるんじゃないかな」

取れるといいんだけど・・・


ところで、今回XCということでさんざん風光明媚だとか洋上がどうのこうのって書いておいて、「画が1枚もないというのはどーゆーことだ?」とお気づきかもしれない。
実は、今回はDVCを吸盤式三脚で固定して、機内のヘッドセット用フォーンジャックとDVCのMIC端子を直結して無線とヘッドセット越しの会話を録音するという実験をしてみたのだった。
事前の試験ではバッチシだったのに、いざ乗り込んでカメラを回してみると、ヘッドセットの音量が小さくなるという問題が発生し、録音は断念。
「それでも画はあるんでしょ?」
ハイ、おいさん2人の背中が映っている動画が・・・いや、計器も窓も映っているんだけど、外が明るくてコックピットが暗いもんだから、逆光効果で風景は真っ白でした(スミマセン)。
flt090530 018_0001  
次回はちゃんと光度調整して録画します。

■本日の反省点
・LDG
 ラウンド・アウト以降の視線の意識(RWYの向こう)
・撮影
 光度調整しよう

これまでの飛行時間:63.5hrs

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VAT?

本土も体験済みでしたか、失礼! 決して本土が甘いと言う訳じゃ無いんですけど、将来を考えるとHNLやGuamの様な厳しい環境の方が絶対に良いですからね。 まあ、本土でも飛行時間を詰んでいくと、勝手に着陸も上手くなりますけど、、、、100時間ぐらいで、強風の中を普通に飛べるのは、凄くいい経験と思います。 ベストはFlairを覚えるまで本土、X-C以降はHawaiiなんて出来ればベストでしょうね。


VORは理論的に理解されていれば大丈夫と思います。 多くの訓練生が、仕組みを理解せずに使い方から覚えて本当に理解して居ない場合が多いのです。 まあそれでも、免許は取れるんですけど、問題発生時に対応出来るか? 予定外の時に対応できるかってのが気に成ります。

機体はC-172SPとC-172Nですかね? 私も個人的には一昔のC-172Nの方が好きですね。 新しいのが悪いって意味じゃ無いんですけど、軽くてシンプルなC-172が好きです。 SPは馬力が有るけど重たそうな気がしてね。この訴訟のアメリカなら仕方の無い事ですけど。

計器は、、、私の時代はGPSなんて無い時代。 DMEは贅沢品でC-172クラスには無い時代でした。その代わりADFがほぼ、全機に有った時代です。ADFは苦労した。。。

VATのサイトを読ませて頂いたのですが、Microsoft Flight Simulatorとかが皆と繫がってる物なんですかね? まだダウンロードはしてませんけど、VAT専用のシュミレターって有るんですかね? 興味が有るので、少々、アドバイスをお願いします。

No title

CFI Japanさん、ようこそいらっしゃいました。
書き込みありがとうございます。

経験ですよね、本土でやっていたころは着陸に非常に自信がありました。つまりは生ぬるい環境でイイ気になっていただかなんだと。
似たような環境で似たような失敗を繰り返しているのが今の状況です。ここは忍耐だと思っています。継続は力で、いつか横風の鬼になれる日を目指してがんばります。

VORは、自分で言うのもなんですが、理論的にはほぼ理解しているつもりです。
実機とは全然違うのですが、PCを使ったフライトシミュレータでの経験は豊富で、IFRでの計器、機器の使い方はほぼイメージできているつもりです。(IFRの実機経験がナイので、つもりです。)

少し横道にそれますが、こーゆー遊びがあるのをご存知でしょうか?

http://www.vatjpn.org/ja/

かれこれ10年くらい前からやっています。昔はマニュアル操作でSIDをフォローしたり、VルートをフォローするのもNAV1とNAV2をマニュアルでセットして飛ぶということをやってました。最近はソフトウェアが進化していて、FMSにSIDやVルート(もちろんR-NAVルートも)を入れるだけで、そのパスをAPがフォローする、ということをPC上のシミュレータがやってくれます。シミュレータもライナーをかなり忠実に再現しています。加速度と風の体感は絶対にPC画面では再現できないのですが、それでもマニュアルでやれば、IFRの練習としては結構効果的だと思います。

IFRには進みたいと考えています。
5年前本土で乗った機体は、イグニッションでGPS付きのDMEなし。
今ホノルルで乗っているのはキャブレターでDME付き、GPSとAPはなし。
絶対今の方が訓練環境としては恵まれている思って頑張ります。

No title

着陸で悩んでいると言う事でしたが、もうX-Cに行かれてたんですね。 じゃ、もう大丈夫ですよ。 後は経験を積むだけです。 本土で訓練すると、風なんてあってもHeadwindで10ノットぐらい。たまに20Kts+が有る程度で、「たまに」です。

それとね、今後の事を考えて、VORは完全にマスターしておいて下さいね。 計器飛行でも使いますし、もし計器飛行に行かなくても、VORが使えないと、遠くに行くのが困難になります。それに万が一の時にはVORが大活躍しますからね。
プロフィール

KOMMYthePILOT

Author:KOMMYthePILOT
このblogでは、FAA Commercial Pilot(ASEL, AMEL) with Instrument Rating(事業用固定翼単発・多発操縦士+計器飛行証明) KOMMY(元ハワイ駐在員:現在は日本在住)のFLT(Flight)の模様をお送りしています。


ちなみに、
1970年生まれ、九州生まれの"おいさん"です。
(ウチの地元では、"おじさん"のことを"オッサン"と言わずに、"おいさん”と言います。)

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